ここでは、代表的な能の演目や公演予定の演目の舞台写真をあらすじ付きで紹介しています。
観能される前にさっと目を通していただくと、より楽しんでいただくことが出来るでしょう。
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「紅葉狩(もみじがり)」 シテ:浦田保親
春この曲は劇的にストーリーが展開し、分かりやすく面白い能です。
前半の酒宴の場面は、維茂を誘惑する様色気のある舞を見せ、維茂が寝入ったのに気づくと、
舞の途中から急にテンポアップし舞うところが見どころです。
後半は鬼と維茂の激しい格闘の場面が、動きも多く迫力満点です。
秋も半ば、信濃国(長野県)戸隠山で、
ある貴女が数人の侍女達と紅葉狩の酒宴をしている。
そこへ鹿狩りに来た平維茂一行が通りかかり、
その女性達に気づく。
維茂の従者は女達に名を尋ねるが答えず、
たださる方とだけ答える。
維茂は酒宴の邪魔にならない様にと、
馬から降り道を変えて通り過ぎようとする。
すると女達はその心遣いに感謝し、維茂を引き留め、
一緒に酒宴をしようと誘う。
維茂は勧めに応じ杯を重ね、美女の舞にみとれ、
いつしか酒に酔い寝てしまう。
それを見た女達は鬼の本性を現し、山の中に隠れる。
寝入った維茂の夢の中に八幡の末社の神が現れ、
剣を与え鬼退治する様神勅を告げる。
目を覚ました維茂がその剣を持ち待ち構えていると、
鬼の姿となった女達が維茂に襲いかかってくる。
維茂は刀を抜いて鬼と格闘し、ついに鬼女たちを切り伏せる。